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消費税率アップに伴い、値上げの春となる来年4月からは都市生活の重要な移動手段である鉄道運賃もアップする予定だ。関西圏が従来通りの10円刻みに対して、IC乗車券が普及する首都圏では1円刻みとなり、IC乗車券と券売機では異なる二重運賃の導入も取りざたされている。しかし、こんな声もある。今回の値上げはいたしかたないとして、なぜ日本の鉄道運賃は、上がることはあっても逆はないのか。
諸外国では、不特定多数の人を対象とした告知や普及・啓蒙活動の手段として、鉄道運賃を活用するキャンペーンが盛んだ。複雑な路線と緻密なダイヤを持つ日本と単純に比較するべきではないが、この試みは、話題性は抜群で効果も結構もあるようだ。
お祭りによる問題解決を目指したのはブラジル。毎年5月に行われるリオデジャネイロのカーニバルの期間中は、アルコール類の消費も増え、飲酒運転による交通事故が多発していた。そこでカーニバルのスポンサー企業でもあるビールメーカーのアンタルチカが今年実施したのが、地下鉄を利用したキャンペーン。仕組みは、自社ビールの空き缶を改札口に設置した専用スキャナーにかざすと、空き缶が乗車券代わりとなり、運賃3.1レアル(約132円)が無料になるものだ。効果は上々で、空き缶回収にも役立つなど、大成功を収めた。
また現在、運賃無料キャンペーンを展開しているのがロシアだ。来るべきソチオリンピックへの関心度アップを図るためにロシアのオリンピック委員会では、モスクワの地下鉄駅にある券売機脇に五輪マークを配した専用のスクワットマシンを設置した。同マシンで2分間に30回スクワットを行えば、運賃の30ルーブル(約90円)が無料となる。12月上旬まで続くこのキャンペーン、オリンピックと同様に参加することに意義があると人気を博すことができるか、注目されている。
さらにシンガポールでも「平日早朝キャンペーン」が実施されている。目的は朝の通勤ラッシュの緩和と、日本でも身近な問題だ。シンガポールの地下鉄は、今年6月から1年間、朝7時45分までに指定された16駅改札を出た場合に限り、運賃が無料、また7時45分から8時までなら0.5シンガポールドル(約40円)が、正規運賃から割り引かれる。なお同キャンペーンは旅行者も対象。シンガポールの朝は、文字通り早起きは“三文”の得のようだ。
なお、早朝の運賃割引は、日本でも北海道の札幌市交通局の市電で行われている。同市電の始発から7時までは、通常おとな170円の運賃が150円になる。ただし、市電の始発から7時までは2本しかないようだ。
値上げばかりの日本の鉄道運賃。シンガポールや札幌市のような時間帯割引を採用すれば、朝夕のラッシュアワーの緩和などメリットも大きそうだ。1円刻みと運賃の調整もしやすくなったので、ぜひ知恵を絞って検討してもらいたいものだ。
(サイトウ イサム 、 阪神 裕平)
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