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小田急電鉄と東京都世田谷区は、小田原線代々木上原~梅ヶ丘間の地下化によって生じた線路跡地の利用計画について、このほど施設配置(ゾーニング構想)がまとまったと発表した。跡地に住宅・商業・業務の各施設を整備する一方、防災機能の強化に活用する。
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代々木上原~梅ヶ丘間では、線路を地下に移設する連続立体交差事業(連立事業)と、線路の数を従来の2本(複線)から4本(複々線)に増やす複々線化事業が行われている。3月23日には地下化が暫定的に完成。現在は2017年度の複々線化を目指して工事が進められている。事業全体の完成は2018年度を予定している。
小田急の発表によると、地下化によって創出された敷地のうち、交差道路や鉄道施設を除く約2万7500平方mを再開発の計画地とし、東北沢・下北沢・世田谷代田各駅周辺地区の3エリアに分けて整備する。
東北沢駅周辺地区は「文化発信ゾーン」とし、「既存の街の個性・雰囲気と融合する上質なライフスタイルを意識した施設」として住居・商業・業務系施設などを設ける。下北沢駅周辺地区は「シモキタショッピングゾーン」とし、今後整備される駅前広場との連続性や駅からの回遊性を高める店舗を展開。「世田谷ライフ発信ゾーン」と名付けた世田谷代田駅周辺地区は、「子育て世代をはじめ多世代に支持される上質な住まい等」を整備する。
世田谷区の発表によると、歩行者や自転車などが利用できる通路を線路跡地に整備し、災害発生時には緊急車両も走行できるようにする。環状七号線との交差部には、通路の連続性を確保するため歩行者・自動車専用の横断橋を整備する。線路跡地の周辺は建物が密集していて緑が少ないことから、通路に加えて緑地や小広場、立体緑地も整備する。
下北沢・東北沢・世田谷代田各駅の駅前広場には、交通結節機能のほか防災・環境に配慮した機能を確保。災害時に備えて防火水槽などを設置する。緑地や通路にも防災倉庫やマンホールトイレ、防災井戸などを整備する。
線路跡地の利用計画案は2011年2月、小田急と東京都、世田谷区の協議によってまとめられた。しかし、同年4月に就任した保坂展人区長は東日本大震災を踏まえ、防災機能を強化した独自修正案を取りまとめて7月に発表。このため再度の協議と調整が必要となり、このほど世田谷区の要望を入れる形でゾーニング構想がまとめられた。
世田谷区は今後、線路跡地に整備する施設が地下の鉄道施設に与える影響など技術的な検討や協議を小田急と行って利用計画を決定し、鉄道工事が完成した部分から通路や緑地などを順次整備していく方針だ。
《レスポンス 草町義和》
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